世界は感情で動く

世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ

世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ

マッテオ・モッテルリーニさんの本の続編。今回は、経済に限らず、心理学的な脳のトラップの事例のみを豊富に紹介している。
例えば、ピーク・エンドの法則とは、「あらゆる経験の快苦は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まる」というもので、例えば、うるさい音を聞くのと、同じようにうるさい音を聞いたあとで、ちょっとうるさい音をきくのとでは、当然、前者の方が楽だと思えるが、何も知らされずに、両方体験した後で、どちらが楽か聞いてみると、後者が多くなるらしい。
それ以外にも、宝くじに当たった直後の人に幸福かどうかインタビューすると大変幸福度は高いが、1年後に同じことを聞いた場合、普通の人と幸福度は変わらなかったとか、年収が10万ユーロを超える人は、貧しい人と同じくらいストレスを抱えているとか、多少経済学とは離れた人間行動・心理の事例が多数紹介されており、楽しめた。