ニュースの職人

鳥越俊太郎さんの2001年の本。自らのジャーナリストとしての半生を綴った本。ご本人は、ジャーナリストでもニュースキャスターでもなく、「ニュースの職人」という肩書きを気に入っているようだ。
サンデー毎日でのハマコーの過去の暴露や「イエスの方舟」では、マスコミが陥りがちなスタンピード現象(雪崩を打ったように世論が一方向へ流れ込むこと)に対して、警鐘を鳴らしたことなどが語られている。
一つ前の上杉さんの本に書かれていたように、誤報についてあいまいにせず、誤報の際の心得に則ってきちんと対処していたり、鳥越さんの真摯な人柄が出ている本であったが、こんな風に顔の見える記者が増えてくれば日本のジャーナリズムも変わるのかも知れない。