ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層

ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)

ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)

元東銀マンの書いた日米比較文化論。いくつかの切り口から日米の考え方・行動様式の違いを論じており、初等教育について、日本では、漢字を含む千種類以上の文字を覚える必要があり、算数でも四則演算を叩き込まれるのに対し、米国では、覚える文字はアルファベットだけで、比較的時間が余ってしまうので、プレゼンの技術を培う下地ができるとのことらしい。まあ、確かに26文字だけなので、ロシア語よりは取っ付きやすいのは事実だが。
また、「貯蓄から投資」への掛け声のもと、日本人は米国人に比べリスク資産を保有する割合が低いため、その拡大が必要と喧伝されるが、もともと、平均的日本人は、米国人に比べ資産総額が小粒でリスクを取れる総額が少ないことや、土地神話で住宅保有信仰が根強く、住宅もリスク資産にカウントすると差は殆どなくなることや、何よりも郵貯という預金者にとっては非常に有利な貯蓄商品が存在したおかげで、合理的にローリスクハイリターン資産を選好していただけと説く。
日米比較文化論の軽いタッチの本としては面白かった。