電波利権

電波利権 (新潮新書)

電波利権 (新潮新書)

NHK職員の池田信夫さんの本だけあって、戦後の日本のテレビ局の歴史や国産のハイビジョン技術が時代の流れに翻弄され、業界標準を逃していったか、また、携帯電話の将来に至るまで、なかなか面白い本だった。
いかにテレビ局が政治や行政と持ちつ持たれつの関係にあったのかが良く分かるが、どれだけテレビ局が電波を寡占化して業界を守ろうとしても、IP化の流れには逆らえないし、地デジの巨額投資に加え、テレビコマーシャルの売上減により、赤字局が続出することは間違いない。この辺りで、行政もテレビ局も新たな時代にマッチした放送の方向性を出さないことには、自ら崩壊を招くことになるのだろう。