バカにならない読書術

バカにならない読書術 (朝日新書 72)

バカにならない読書術 (朝日新書 72)

養老孟司さんの本。バカの壁を読んで面白い考え方の人だと思ったので、買ってみたが目から鱗がいくつもあった。
まず、外遊びをする子供ほど文字を覚えるのが早いとのことで、どうも、
1.知育…情報のインプット(体全体で感じる)
2.徳育…情報の演算(脳みその回転)
3.体育…情報のアウトプット(体を動かす)
外遊びをすることによって、1→2→3をグルグル回すことになり、結果的に頭が鍛えられることになるということらしい。例えば、脳性小児まひの子供をかわいそうだからと寝かせていると、言葉をしゃべることができないが、無理矢理にハイハイをさせると、言葉をしゃべるようになるとのこと。
で、文武両道という言葉の意味は、本当は、この1→2→3のグルグルの循環のことで、勉強とスポーツ両立という意味ではないらしい。数日前、橋下知事が大阪の子供は学力テストだけでなく、体力テストも低迷しており嘆いていたが、何のことはない。結局、体を動かさないことには頭も使うことにならないということではないか。
まあ、こんな感じでいろいろ示唆に富む話の後、後半は、池田清彦さんと吉岡忍さんとの読書に関する鼎談となっており、お奨め本がいくつも載っていて、どれもこれも面白そうなのだが、時間がないので、老後の愉しみとしよう。